10ページ目 | 2013欧州バイク旅3

9日目:COMPLETE!

ルクセンブルク→フランクフルト(ドイツ)・313km・雨・20℃

目覚めれば、外は土砂降り。。やや雷もゴロついている。
ま、最終日でもあるし、あとちょっと耐えるしかない。、

ふぅ~、今回は長かった~。。歳か、、そればかり言ってるな。。
びしょ濡れで、途中休めるのは、高架の下ぐらい。
そこでタバコをぷかりとしながら想いにふける。
ボロボロで補強されたプラハを見て、やはり今回の旅は長かった、色々あったと感じる。


ドイツに入り、最後の目的地である、古城街道の北端を走りつつ、
やはり、この状況じゃ、レストランに入るのも大変、、
だいぶ早い戻りとなるが、昼飯抜きにて走り、旅を終えてから寛ぐのがベストだろう。


あ~終わる、旅が終わる。
バイク屋にはどう言おう、また、来るぞ!と言って別れたい。
あ~早く、シャワーを浴びて、お土産買って、飛行機に乗ってしまいたい。

なんとも今回で3回目のEU、人生のうちの計1か月をこちらで走っていることになる。
ほぼ、行くべきところへは行っただろう。一応の完成を感じる。
今回、特別なことは無かったようにも感じるが、全てが良かった。COMPLETE!
そして、ありがたくも、また帰って仕事に打ち込めそうだ。

フランクフルト市内に入り、バイク屋まであと5km。。
だのに、、な~~んで、こーなるのか!?


残り47km走れる表示なのに、、ガス欠。。は~~っ??
幸い、通りすがりのドイツ人ライダーが止まってくれ、
緊急電話からロードサービスを呼んでくれた。。 感謝!

しかし、後味が悪いというか、なんというか、
ま、基本、こまめな給油が原則だが、最後に慢心してたか。。
これはもう自分のミスだが、あと5km。。それは何かへの警告だったのか。。


その後、ロードサービスが来てくれたが、最後に言葉の壁でつまづく。。。
どうもJAFなのかETCカードなのかを持っていないと作業してくれないらしい。
クレジットカードでは無理なのか?それをセンターの人とTELで交渉。。

最後はなんとかキャッシュで、給油してもらうことができたが、、
旅の最終にキャッシュが残っていたこと、早めに帰ってきたこと、それが幸いでしかない。。
今晩の飛行機に乗り遅れでもしたら、それはもう一世一代のトンマな事件になる。。

が、しかし、結局エンジンはかからず。。
あれ、故障??
ということで、前回米旅に引き続き、トラックに乗せられるオチとなった。
ま、自分のミスで無いなら、それは仕方のないことだ。


なんと、トラックの助手席で旅の最後を迎えるとは。。トホホ。。
バイク屋でチェックしてもらった結果、あれはやはりガス欠とのこと。。
でもって、ロードサービスが間違えて軽油を入れてしまったらしい。

君に責任は無いので、あとはこちらでロードサービスと交渉するとのこと、いかにもドイツ人らしい。
ほんと迷惑かけてすまない。俺は未だ下手くそだ。
おまけに料金もディスカウントしてくれて、それじゃロードサービス代も払ってくれたことになる。。
ピーター、マッシーモ、本当にありがとう、また来る!

という訳で、計3945km、計10ヶ国のツーリングは無事?完了した。
2004年から都合3回、実走27日間、17ヶ国、11,101kmに達した。
なんというか、一旦これを区切りとし、EU旅を完成。としたいと思う。
自分の中で、ある納得まで達した。

ま、北欧に東欧、ポルトガルにも到達できてないし、まだまだなのかもしれないが、
次回は、未だわからないが、3年に1度のロングツーリングにこだわらず、、
それはいつになるのか、どこになるのか、、
いつも気分よく行かせてくれる妻に、これからは自分が見たものを見せてもあげたい。
そんなこともやってみようかなとも思っている。


 

海外バイク旅のウンチク(ファイナル)

 いや~、今回の旅日記はウンチクも含め、目いっぱい書いた。というか書き切った。
 いったい誰がこれを読むのだろう。それはだいぶんしんどい話でもある。同じ目線で読んで共感してもらえるのだろうか。これを見て誰かは旅に出るのだろうか。
 
 さて、ウンチク(その1)で、後段に続けるとした「Q:自分でも行けるだろうか?」については、その後のウンチク全てが答えでもあり、旅の根源は自発的な興味と欲求でしかない。それさえあれば何でもできる。
 そして、それは過去の旅日記を読み返すに、どうも自分は毎度チビに対して行ってほしいと言っているようだ。それはきっと、自分に対しても、皆に対してもそう言っているようにも思う。
 また、それは、初めて海外バイク旅に出た2002年の旅日記を見ればあきらかだ。それは松尾芭蕉の奥の細道で始まっている。
 

月日は百代の過客にして行かふ年も又旅人也。舟の上に生涯をうかべ、馬の口とらえて老をむかふる物は日々旅にして旅を栖とす。古人も多く旅に死せるあり。予もいづれの年よりか片雲の風にさそはれて、漂白の思ひやまず、海濱にさすらへ去年の秋江上の破屋に蜘の古巣をはらひてやゝ年も暮、春立る霞の空に白川の関こえん と、そゞろ神の物につきて心をくるはせ、道祖神のまねきにあひて、取もの手につかず。もゝ引の破をつゞり、笠の緒付かえて、三里に灸すゆるより、松嶋の月先心に かゝりて、住る方は人に譲り、杉風が別墅に移るに、
草の戸も住替る代ぞひなの家
面八句を庵の柱に懸置。

 

 それは正に興味と欲求のままに行けという先人からのメッセージであり、何故かこれを読むと奮い立ち、それが正しいと共感した。
 なお、現実問題として、何故自分は海外でもこうして走れているのか、、を考えるに、特に今回感じたことでもあるが、それは日本が戦争に負けて欧米教育を受けさせられたから、日本が欧米社会と同じ仕組みにならされたから。に帰着する。
 すなわち、強国の都合よくやられ、その中でたまたま高度経済成長を成し遂げ、ロマネコンティを飲む程度になっただけで、実のところ今の東欧とも、どこともいっしょな訳だ。よって、欧米式の常識を植えられた日本人なら、先進国での観光ツーリングぐらいできて当然なのだ。
 ただ、そこで今一度考える。今の日本はどうだろう。これからの日本人はこのままでいいのか。。それは自分に対しても。
 2014Wカップ出場を決め、浮かれる日本代表に対し、インタビューで本田選手は苦言を呈した。「精度をさらに高めて、あれをブラジル相手でもできるようにする。自分が前に出るという強い気持ちを持って集まったのが日本代表だ。」それを真剣に思い詰めて話した。なんとなくそれには感じ入るところがある。
 そんなことを自分より若い奴で言う者がいたことに驚くし、何よりテレビカメラに向かって全国民に向かって言ったとしか思えないところがある。
 すなわち、彼は海外のチームでプレーする者であるということ。旅に出て世界を見て、自分を見て、日本人を見て、そう感じたということだ。
 
 ま、ウンチクの最後を説法で閉めるつもりはない。旅はそんなに難しいものじゃない。少なからず考えさせるものがあるというのはとてもいいことだ。それも歳によって見る角度も理解も変わってくるものだし、また、ずっと同じでいようとすることも難しい。
 正にそれが人生であり、常に満足や納得を求めるんだろう。だから、これからも努力しよう。