3ページ目 | 2013欧州バイク旅3

2日目:YOUKOSO!

プラハ→ハルシュタット(オーストリア)・566km・曇りのち晴れ・14~26℃

雨はやんでいた。未だ静かな朝食前の街に出て、すぐ近くのモルダウ川までふらり。
昨晩見たここの大きさとはまた違う、しっとりとした感じに包まれる。
しかし、そこで自分はタバコを胸いっぱいに吸う。残念ながらこれは乙女のご旅行ではない。


前回EUを終えた時、次は東欧になるだろうと確信していた。
旧社会主義圏。年々広がるEUとともに、自分の好奇心も広がっている。
そして今、ポーランド、スロバキア、ハンガリーの目の前まで来ている。

しかし、この旅の直前。
自分は成果の見込めないしんどい事はしたくなかった。。お疲れ様に確実にご褒美をあげたかった。。
というわけで、それらへの侵攻は大幅カットとし、
逆に、本で見たTVで見たあの場所を目指すというミーハー路線に切り替えたのだった。ワッハッハ!

その分、たいへん気は楽で、田舎の地図をタラ~リとトレースしつつ進む。
いわゆる自分にとって幸せな無の時間が流れる。


かわり映えのしない道をどれだけ走った頃か、道沿いに「GEISYA」?の看板。
そして、キャバレー、カジノ、遊園地とカラフルな街並みが出現し、その先に国境を迎えた。
な~るほど、国を越えて遊びに来る訳ですな。フフン。


景色から何から何まで、それは観光客を充分満足させるだろうと確信されるオーストリアに入国し、
あえて、音楽の都ウイーンを回避し、あの本にもこの本にも出ていたバッハウ渓谷を走る。
ん~しかし、なんでこれを渓谷と言う?薄曇りで観光客もおらんし。。ハズされた感90点。


そんな感じの時は、100%こんな感じの休憩となる。。
これで男のロマン実践派なのか?
微塵のオーラも見えないオッサンライダー。。もう限界に来てるんじゃないか?
とのツッコミも受け止めよう。


さて、っと気分を変えて、上道にてズド~ンと150km程走り、下道へ。
本日の行程に関しては、ちゃんと保険を付けてある。
あのTV(サキちゃんブログ旅)で見たハルシュタットへ走る。

ほ~ら、思ったとおり、雪が残る山が見えてきて、気分も天気も晴れ晴れになる。
ちょいと一服も、こ~んなに綺麗な広場なら意味がぜんぜん違ってくる。


そうだとしても、オッサンはオッサン。
さっきよりひどくなっているかもしれない。。
この絵を3MBの原写真ではとても見てられない。。。

以後、これは禁じ手として、男のロマンに戻ります。


思ったとおりハルシュタットは湖岸の静かな町だ。
こんな町はたいてい一般車進入禁止が相場だが、ゲートをくぐって入ってよいとのこと。
歩行客に気遣いつつ、細い道をトロトロと町中へ。

中心地らしきところにあったインフォメーションは既に閉まっており、
さてさて、この有名そうな町でのお泊りは高くつきそうだ。。
できれば、湖岸に面したアンティックな部屋を探したい。高かろうが、そうあるべきだろう。


イメージどおりのペンションがあった!
ベルを押し、2階から降りてきてくれたオカンが愛想良い。

オトンが釣り好きで、目の前の湖で釣ったというパイクの剥製が飾られた階段を上がり、
屋根裏の小さな部屋だけど、窓からのこの景色に即決定。しかも安い。
この部屋への辿り付き感が、全てを満足にさせる。

実は、今日を含む3日間、ずーっと屋根裏部屋泊が続いている。
EUには建築基準法も消防法も無いのか、自分が安部屋ばかり選んでいるのか。。
ま~しかし、この屋根裏はいっそう旅情を引き立てる。



なんだろう、この夕暮れの穏やかな水面は。とても落ち着かせてくれる。
やや肌寒い町、お客さん達もみんなおっとりして見える。


そして、宿で紹介されたレストランへ。
タイトル画のとおり、ようこそ!と迎えられ、自慢の魚料理とワインが食卓に並ぶ。
そして、日本人は魚を食べるのが上手ですね。と言われたいかのごとく堪能する。


完食の絵までは不要だったかもしれないが、それほどの満足があった。
魚料理には白ワインと言うけど、淡水魚のクセこそシロに合うと発見したのが大きい。

本当ならば、ここで酔っぱらいでふやけた満足顔の絵を出し、三段オチとすべきだが、
あまりに失礼なので、禁じ手を守ることとする。


 

海外バイク旅のウンチク(その2)

 私がやってるのは、所詮先進国での観光ツーリング程度と言える。いわゆるバイクで世界一周というのは、オフロードバイクで埃まみれになりながら、ビサをとって税関を抜けていくというもので、それに比べれば大変安全な旅行だ。
 バイクというのは、小さいのから大きいのまで色々あるが、大きいのは主にハーレーに代表されるアメリカンとBMWに代表されるヨーロピアンに分けられる。また、バイク好きはレース派とツーリング派に別れるが、後者にとってはハーレーでアメリカを走る、BMWでヨーロッパを走るというのが、誰もが一度はやってみたいことだろう。

 ツーリングの醍醐味は、綺麗な景色、人との出会い、御当地の名産品(酒、食事)、秘湯など色々あるが、その情報を如何に偶然に入手し、通常の旅では巡り会えない、辿り付けないだろうものを手に入れるかも醍醐味でもあり、それはバックパッカーにも通じるものがあって、基本的に貧乏旅だ。
 日本におけるそんなツーリングの聖地は、やはり北海道だろう。何年か前まではミツバチ族という言葉があり、夏になればブーンと現れ去っていくバイク旅の者を指していたが、それらは基本的に寝袋やテントを持っての貧乏旅であり、大自然の北海道まで来て、高級ホテルで寝泊まりしているライダーは基本的にナンセンスと言われる世界だ。
 但し、そんなアンチ金持ち志向の世界でも、ズビューというエンジン音とともに、等速運動にてコーナーを抜けていくBMWは、なかなか手の届かないツーリンガーの憧れであり、今では一般的になったが、荷物が濡れずに済むパニアケースなど、昔はBMWぐらいしか付けてなかった。

 そして、今日、北海道ツーリングの先にはヨーロッパがあるのだろうと思う。但し、それを実現させるために金は必要だ。レンタカー(自動車)代は日本と変わらないが、BMWのレンタルバイクとなると結構かかる。それに飛行機、宿代その他。。
 よって、世間様には大変申し訳ないが、自分は無駄遣いや贅沢をするつもりはないものの、限られた時間内で、できるだけ旅を安全にかつ最高にしたいため、町の真ん中のホテルに泊まり、うまいものを食うことにしている。よって、さすがにこれ程の出費は3年に1度と決めている次第だ。
 なお、それが実現できていることは、自分にとって3年間ごきげんに仕事をがんばれる満足や自信が持続するということでもあって、もはや不可欠なこと。人生で唯一残っている日記はこの旅日記しかなく、それは自分が生きた証に近いのかもしれないともセンチメンタルに思ってみたりもする。