ドローン鑑定

●競売評価の現状

 全国競売評価ネットワーク(KBネット)は、全国的な評価の在り方について、各地のノウハウを集積して、研究討議し、執行裁判所と綿密な連携をとり、意見交換を行いながら、その成果を反映させた競売評価を行い、これを裁判所からインターネット等を通じて利用者に広く提供し、不動産競売事件の迅速かつ円滑な処理に寄与することを目的としています。
 2021年KBネットにおいて、当会会員の寄稿「空撮技術(ドローン)を用いた物件調査・評価の新しい潮流」が巻頭記事として掲載されました。


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●BIT公開情報


 BIT(不動産競売物件情報サイト)では、現在売却中の競売物件情報等をご覧いただけます。
 各物件の詳細については、3点セット(物件明細・現況調査報告書・評価書)をダウンロードして見ていただくこととなりますが、その中において以下のような評価人による空撮画像が公開されています。
 裁判所の3点セットは、市販の住宅地図が使われておらず、一般の方から見て物件概要がわかりにくい側面がありますが、このように空撮画像等を添付することにより、買受希望者に対し有用な情報提供をする流れが広まりつつあります。



●裁判所による中立鑑定


 不動産に関する様々な揉め事は、最終的に裁判所における調停や裁判等で解決されます。
 その際、原告・被告より証拠書類として不動産鑑定士による鑑定評価書が出されることがありますが、従来は単に価格(結果)のみを争点としたばかりに、鑑定評価手法の適用など、不動産鑑定の適正さについての指摘合戦が多く見られました。
 しかし、そのような場合、改めて裁判所が選任した鑑定人により、中立かつ更正な鑑定が実施される場合があります。
 なお、今般ではその価格(結果)となる根拠事実の調査確認やその表示(図示や座標表示)までを求められることもあり、客観的に合理的であることを原告・被告、そして裁判官が理解できるよう対応することが求められるようになってきています。
 その背景には、ドローン鑑定が広がり、そのように鑑定人が対応し始めたことが裁判所にも徐々に認識されてきたものと思料されます。